在宅ワーク

在宅仕事=運動不足 医療従事者に学ぶ「在宅健康」の極意
在宅で仕事をする機会が増えたことから、運動不足から来る体調不良や、体重増加を感じ始める方も少なくないだろう。実際に「ビリーズ・ブートキャンプが再ブーム」といわれるし、「座りっぱなし」を防ぐためにスタンディングデスクを導入するなど、工夫する人も出始めたようだ。

たとえば東京の地下鉄だと階段の上り下りも多く、通勤の行き帰りで5000〜6000歩歩いているともいう。オフィスだと用を足すにも数百歩は歩くところ、自宅だとトイレはすぐそこ。本格的に「体を動かさない」ことに慣れてしまう前に、そろそろ対策をしましょう。
狭い室内でもカロリーをうまく消費して健康を保つコツ。
運動不足は不規則な生活よりも恐ろしい!
在宅勤務は、健康的とは言いづらい勤務環境。
移動時間が少なくなり時間が増え規則的な生活を送るようになったにも関わらず、健康状態が悪化。周りにも同様の経験をした患者さんがたくさんいて、その理由を分析したところ、運動不足が原因だという結果に至たりました。
座りっぱなしの時間が長くなり、腰痛が悪化、坐骨神経痛にまでなってしまったこともあります。周りでも、在宅ワーク後に健康状態が悪化したという人はかなり増えています。
今回は在宅勤務中に取り入れたい、運動不足を解消する5つの工夫をご紹介いたします。

  1. 座りすぎは身体の毒!
  2. こまめに姿勢を変える
  3. 必要なものをあえて手の届く場所に置かない
  4. 下半身を意識的に動かす1時間に1回、ストレッチか有酸素運動を行う
  5. 昼休みは外に出て日光浴をする
    在宅勤務が増え、なんとなく身体の調子が良くないと感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

1. 座りすぎは身体の毒!こまめに姿勢を変える
ビジネスコンサルタント、トム・ラスさん著書「座らない!:成果を出し続ける人の健康習慣」に、座りすぎは喫煙よりも身体に悪いということが書かれていましたが、実際に座りっぱなしの時間が長くなると、頭が働かず効率が下がったり、肩こり・腰痛・頭痛などの症状が起こりやすくなると感じています。
在宅勤務中はいつも以上にパソコンに向かう時間が長くなると思いますが、パソコン作業中は基本的に座っていることになるので注意が必要です.
以前、治療中の患者さんで、肩と首のコリとそれに伴う頭痛の相談を受けたところ、パソコン作業中はこまめに別の場所に水分補給をしに行く。トイレに行くことを提案しました。
座った姿勢に疲れてきたら、カウンターや棚の上にパソコンを置き立って作業をしたり、パソコン作業をする際には落ち着きがないほどちょこちょこ場所を変えましょう。

そんな状態で集中できるの?と思われそうですが、同じ姿勢で根を詰めて仕事をするよりも、身体の疲れを感じにくくなり、不思議と効率がアップしているように感じます。

2. 必要なものをあえて手の届く場所に置かない
こまめに姿勢を変えると言っても、集中しているとつい忘れがちになってしまうこともあります。気づけば午前中1回も席を立っていない、なんていう事態を防ぐためにも、席を立たざるを得ない状況を作りだすことがおすすめです。
家にいると必要なものを全て身の回りに揃えてから仕事スタート、ということもできてしまいますが、あえて負荷を作りだします。
私の場合、飲み物は冷蔵庫に置いておき、喉が渇いたら冷蔵庫まで取りに行き台所までコップを取りに行きます。スマートフォンは充電スポットに置いておき、メールや電話に対応するときはそこまで取りに行く、などのシステムを取り入れます。
手荷物収納の際、高い扉に収納された備品の出し入れをするなど、背伸びをする機会を多くとりました。それが、ふくらはぎの筋トレに繋がり、ふくらはぎがシェイプアップされてきたことに気がつきました。
そのため、日常的に使うものをあえて背伸びをしないと届かない高いところやしゃがまないと取れないような低いとこに収納するなどして、背伸びをしたりしゃがんだりの筋トレを無意識的に実践できる環境を作るようにします。
効率アップとは逆を行くようですが、席を立たざるを得ない環境を作りだすことが在宅勤務中の健康増進には効果的と言えます。

3. 下半身を意識的に動かす
座りっぱなしで負荷がかかりやすいのが、股関節や腰回りです。家の中では外に比べて移動距離が少なくなると同時に、歩幅も狭くなりがちです。そうすると股関節周りの運動量が激減します。
そのため、在宅勤務中は意識的に下半身を動かしてあげることが大切です。例えば、トイレに立つときや、キッチンまでお茶を取りにいくときなどは、つま先を上げ踵を上げながら歩く、一歩ずつ踵からつま先を意識しながら歩くようにすると、股関節周りの筋肉を大きく動かすことができます。
家の中で一歩ずつ正しく踵、つま先を意識して歩いていれば、通勤中の足りない運動量に少し近づける事も可能です。時間がもったいないと思われるかもしれませんが、通勤時間を考えればほんの少しの時間です。

4. 1時間に1回、ストレッチか有酸素運動を行う
ついダラダラと仕事をしてしまいがちな在宅勤務では、1時間に1回、10分程は正しい歩行を取りたいところです。パソコンに向かう時間が増えると負担がかかりがちなのが、首や肩。首や肩のコリが酷くなると頭痛に繋がることもあるので、こまめに解消しましょう。
手の指を広げたり、握ったりするストレッチなどはこの休憩のタイミングで必ず行いたいものです。わたしの場合、原稿やメールの内容を考えている時間は手を動かせるので、これらのストレッチをしながら考えることもあります。

5. 昼休みは外に出て日光浴をする
在宅勤務中は、家から一歩も出ないで一日が終わってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、やはり外に出れば自然と歩数も増えます、外の空気を吸って太陽の光を浴びると気分転換にもなります。
在宅勤務中は日光を浴びる時間も少なくなりがちです。日光を浴びる時間が不足すると、紫外線を浴びることによって体内で生成されるビタミンDが不足し、健康に影響が及ぶことも考えられます。
昼休みはパソコンを眺めながら自宅でカップラーメンを食べるのではなく、可能な限り外に出るようにしましょう。
お弁当を買いに行くだけでもいいです、近所に公園やベンチがあれば、そこで日光浴をしながら食べるのもこれからの季節、気持ちよさそうです。

わたしは朝、近くの公園まで、日光浴をしながら30分ほど散歩することを日課にしています。しっかりと太陽の光を浴びることは、睡眠の質の向上にも繋がると言われています。一見、面倒で無駄が増えるように思われるかもしれませんが、私自身、意識的な運動やストレッチを取り入れた日とそうでない日とでは、仕事の充実度も身体の疲れ具合も全く違うと感じています。
在宅勤務中こそ意識的な運動習慣を取り入れ、万全のコンディションで仕事をされてください。

テレワークのせいで運動不足「コロナ太り」

新型コロナウイルスの影響により、テレワークを導入する会社が増加している中、懸念されるのが「テレワークにより引きおこる食べ過ぎや運動不足・集中力の低下」です。
体を動かす機会は減ったのに、家にいるせいかついつい食べてしまう……。そんな日々の繰り返しにより、「コロナ太り」に悩まされる人が急増しているといいます。そのうえ、健康への害だけでなく、集中力まで低下してしまっては、仕事に支障をきたしてしまいます。今回は、そんな運動不足と集中力低下の解消法にもつながります。

「コロナ太り」が人気沸騰ワードに
「Yahoo!リアルタイム検索」によると、「コロナ太り」というキーワードは、3月の半ばごろから投稿が増えてきており、Twitter上では、「コロナ疲れではなく、コロナ太りになりそう」、「コロナ太りがヤバい」といった投稿が数多く見られてきました。このようなコロナ太りが起こる要因としては、下記のようなことが考えられます。
・テレワークによって会社への移動がなくなり、運動不足になってしまう
・スーパーなどの休業により、コンビニのお弁当やお菓子をいつもより多く買 い、ついつい食べてしまう
・普段行っているジムが休業している
また、Twitterユーザーから、「コロナのせいで仕事以外の外出を控え、スタミナの付くもの食べていたら1週間で5キロちょい太りました」というような「コロナ太り」のコメントが多数見られます。家にいると自炊や飲食に費やす時間が増え、運動不足にもかかわらず食事は充実。
食べ過ぎで次第に体調が悪くなり、仕事の集中力も続かなくなってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

下記の「人との接触を8割減らす、10のポイント」を、特に3密を守りながら、屋外で運動してみてもいいかもしれません。
「人との接触を8割減らす、10のポイント」
1.ビデオ通話でオンライン帰省
2.スーパーは1人でまたは少人数で空いている時間に
3.ジョギングは少人数で公園はすいた時間、場所を選ぶ
4.買い物は通販で
5.飲み会はオンラインで
6.診療相談は遠隔診察
7.筋トレやヨガは自宅で動画を活用
8.飲食は持ち帰り、宅配も
9.仕事は在宅勤務
10.会話はマスクをつけて

※出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

仕事も大事ですが、身体は全ての基本になります。身体が動かなければ在宅ワークとは言え、支障が出ます。
健康管理は個人に任されている時代です。快適な毎日をお過ごし下さい。